
TMSジャパン 長谷川 淳史
工藤 晶代
社会の混沌とともに心身障害を持つ人が増えている。同時に筋骨格系の疾患を持つ人もそれと符合して増加の一途だ。特に腰痛は代表格で、治療院巡りをする患者の話も聞く。現代人を襲うストレスなどから生じる「痛みの苦しみ」から解放するという画期的な取り組み、TMS理論の今日を紹介する。
I はじめに
『サーノ博士のヒーリング・バックペイン』と『腰痛は<怒り>である』(共に春秋社)によってTMS理論を紹介して以来、新聞・雑誌・ラジオなどのマスメディアも含めて国内外から大きな反響があった。後者の本は、発刊後間もなく韓国と台湾で翻訳出版されたほどだ。
実にたくさんの手紙や愛読者カード、そして1日100通にもおよぶ電子メールが届く日々が続いた。TMSジャパンのウェブサイトにも毎月約10,000人がアクセスし、電子掲示板上では活発な「グループミーティング」が展開されるようになった。
その中で気づいたことや学んだことは数多い。特に、TMS理論の問題点を知ることができたのは大きな収穫だった。われわれはその問題点を補うべく「TMSジャパン・メソッド」を開発し、医療関係者と慢性腰下肢痛患者を対象にセミナーを開催している。
しかし、本治療プログラムの特殊性から、これまでその内容をあまりオープンにしてこなかった。おかげで内容に関する問い合わせが相次いで寄せられている。
そこで今回は、「TMSジャパン・メソッド」の概要と、われわれTMSジャパンの活動内容を紹介する。
II TMS理論とその問題点
TMSとは「Tension Myositis Syndrome」の頭文字からとった略称で、日本語に訳すと「緊張性筋炎症候群」ということになる。しかし、「筋炎」といっても筋肉に「炎症」があるというわけではなく、筋肉内に何らかの変化があるという意味でしかない。この理論を開発したジョン・E・サーノは、TMSの定義を「痛みを伴う筋肉の生理的変化」としている。
またTMSは、これまで単独の病気によって生じるとされていた筋骨格系のさまざまな症状を、ひとつの症候群としてまとめてしまった。たとえば、肩こりと呼ばれている首や肩、背中の痛みをはじめ、腰痛、臀部痛、上肢や下肢の痛みやしびれ、さらには四十肩、五十肩と呼ばれる肩関節の痛み、肘、手首、股関節、膝、足首の痛みまで、これらはすべて共通した原因によるひとつの症候群だと考えるのだ。
そしてその治療プログラムは、ノーシーボという「呪いを解く」ことと、「防衛機制を解除する」ことの二本柱から成り立っている。この二つの目標を達成させるためにサーノは、「講義討論会」「グループミーティング」「ストレスリスト」「読書療法」「毎日の注意」「痛みを叱る」「活動制限の解除」「瞑想」「精神分析」を提唱し、きわめて高い効果を上げている。
しかしわれわれは、サーノの治療プログラムに反応しない患者が存在することに気づいた。正確には、反応しないというより、治療意欲が低下しているために治療プログラムに取り組めない患者のことだ。
TMSになりやすい性格特性として、「完全主義」や「善良主義」を中心とした、いわゆるタイプTがある。すなわち、生真面目、責任感が強い、几帳面、仕事熱心などという要素を持っている人たちである。
この性格特性は、実はうつ病になりやすい人の特徴でもある。慢性腰下肢痛患者には、うつ病とまではいかないまでも、抑うつ状態という気分障害がよくみられることがわかってきた。
考えてみれば当然のことである。ありとあらゆる治療を試しても完治せず、数年、あるいは数十年も痛みに悩まされ、治療費に数百万円を投じても結果が得られなければ、誰でも落ち込んで無気力になるだろう。憂うつ、不安、イライラ、絶望、やる気が起きない、根気がない、朝起きられない、本や新聞が読めない、判断がつかない、集中できない、考えがまとまらないといった状態に陥っても何の不思議はない。
マーティン・セリグマンは、このような状態を「学習性無気力」と名づけた。学習性無気力には、表1に示すような三つの症状が見られるという。
表1.学習性無気力の3症状
| 動機づけ障害 |
何かを学習しようとする意欲や動機づけが低下、もしくは喪失してしまう。 |
| 認知障害 |
状況を自ら変えられるとは思えなくなり、成功をあきらめてしまう。 |
| 感情障害 |
不安や抑うつに似た感情が生じることで、無感動になり、視野や興味の範囲が狭くなり、消極的で自己愛的になる。また周囲からの干渉に敵意や怒りを感じることもある。 |
いくらTMS治療プログラムの改善率が高いとはいっても、効果を上げるためには、学習と実践が必要不可欠である。肝心の学習意欲や、治そうという動機づけが低下していては、治療プログラムに真剣に取り組むことができない。自分が治るとはとても思えないのであれば、途中であきらめてしまう可能性が高くなる。視野が狭くなっていたり、盲点ができていたりすれば、何度本を読んでも頭に入るはずがない。さらに、「ストレスリスト」に取り組んでいる際、自分を責めはじめて落ち込む患者の存在も確認できた。
つまりわれわれは、患者の治療意欲・動機づけ・自尊心を高める必要に迫られたのである。これが「TMSジャパン・メソッド」を開発するきっかけとなった。
III 読書療法の効果
とはいうものの、サーノは読書療法だけで60万人を超える慢性腰下肢痛患者を治癒させている。わが国でも冒頭に示した書籍によって数多くの患者が救われているし、今では「TMSジャパン・メソッド」の一部をCDに収録した『腰痛は<怒り>である・CD付』(春秋社)も入手可能である。
われわれは慢性腰下肢痛患者を対象とした各種セミナーなどで、読書前後のJOAスコア(日本整形外科学会腰痛疾患治療成績判定基準)の変化を調査してきた(n=63)。その結果、15.7±6.8から23.5±4.8へと大きく上昇し(改善率58.6%)、読書療法による著明な改善効果が確認できた(p<0.001)。
読書療法の効果は、間違いなくあるのだ。中には50回も再読し、ボロボロになったのでもう1冊買ったというツワモノもいる。
筆者(長谷川)はカイロプラクティックなどの手技も併用しているだけに、本誌の読者であるセラピストには声高にできないが、これまで述べたように身体に触れることなく筋骨格系疾患を治療できるのが、TMS理論の大きな特徴といえる。
IV 「TMSジャパン・メソッド」の概要
「TMSジャパン・メソッド」は、最新の心理療法を取り入れることによってサーノの治療プログラムの問題点を補い、治療効果をさらに向上させた治療プログラムだ。「より早く、より簡単に、ひとりで対処できる」を目的とし、治療意欲・動機づけ・自尊心を高めると共に、陰性感情を適切に処理するツールを提供するものである。
フェーズIとフェーズIIの2日間にわたって受講してもらうが、各自の事情に合わせて別の日に振り替えられるシステムも採用している。
なお、本治療プログラムにはグランドルールがある。第1に、会場内で話し合われたことで、個人のプライバシーに関する内容は外部に漏らさない。この点については説明するまでもないだろう。
第2に、個人の自由を尊重する。すなわち、話したくない人は話さなくていいし、提供されたツールを使うか使わないかも個人の自由だということだ。われわれは、「TMSジャパン・メソッド」が絶対に正しいと盲目的に信じ、それを他人に押し付けるつもりは毛頭ない。受講者の自由意志は、最大限に尊重したいと考えている。
受講者はこの2つのグランドルールによって守られ、チョコレートやクッキーなどをつまみながら、アットホームな雰囲気の中で楽しく治療プログラムを受けることができる。
1.バズ・セッション
TMS治療プログラムに取り組んでいる者同士が話し合うことは、受講者全員にとって貴重な支えになる。問題の克服や解決にあたって、他の人の考えを参考にすることができるからだ。
自負心、すなわち自分にはできるという信念を強化する最善の方法は、実際に目標を達成することだが、もうひとつの方法は、誰かが成功するのを目の当たりにすることである。「グループミーティング」では、治療に成功した人の体験談をじかに聞けるので、信念を強化するためにも有効といえる。
もちろん完治した人の話だけでなく、なかなか改善しない人の体験談、何が有効で何が無効だったのか、どんな困難が待ち受けていて、それをどう克服してきたかなども話し合える。
われわれはこうした「グループミーティング」の利点を踏まえ、ヒルスデイル大学のドナルド・フィリップス学長が始めた、「バズ・セッション」という方法を応用したミーティングを行なっている。
メンバーの数が多い時、全体を小さなグループに分け、あるテーマについて短時間で意見を出し合う。その後、話し合った内容を全体にフィードバックさせるのだ。
「バズ・セッション」には次のような利点がある。
(a)かなり多くの人数でも、自由で活発な話し合いができる。
(b)小グループの中では密度の濃い話し合いができ、互いに影響を受けられる。
(c)小グループでのセッションと全体へのフィードバックによって、全員が参加しているという仲間意識が芽生える。
バズとは蜂が出すブンブンという羽音のことで、受講者全員が自分の意見を発表できるところに大きな特徴がある。とはいえ、グランドルールに守られているため、発言したくない人は発言する必要はない。
2.EBMの理解
EBMとはEvidence-Based Medicineの略で、「科学的根拠に基づく医療」と訳されている。現時点で最も信頼のおける根拠に基づいて治療する、という意味だ。一般の患者にすれば当然だと思うだろうが、現実はまったくそうではない。
臨床現場における診断や治療は、個人の経験や習慣に左右されることが多く、動物実験から得られた結論をすぐさま人間に当てはめようとしたり、権威者の意見が何年も変わらず尊重され続けたりなど、しばしば何の根拠もなく行なわれている。
これは患者にとって不利益であるばかりか、医療費や社会資源の無駄使いでもある。特に腰痛疾患においては、根拠のない診断や治療が平然と行なわれている。この結果、医学は腰痛治療に完全に失敗した。「もはや医学は腰痛診療から撤退すべきだ」という研究者さえいるほどだ。
EBMはこうした弊害を回避するために、現時点で知り得る限りの科学的根拠に基づき、効果的で質の高い患者中心の医療を実践するための方法論だともいえる。
「筋骨格系疾患に対する特効薬は情報である」とサーノが述べているように、正しい情報はTMS治療プログラムの根幹をなすものである。「TMSジャパン・メソッド」では、従来の誤った知識を科学的根拠に基づいた正しい知識に置き換えることで、腰下肢痛に対する恐怖心やあらゆる条件付けを消去してもらう。
3.目標設定
TMSを解決するには、目標を設定することが非常に有効である。特に、腰痛や坐骨神経痛に対する恐怖心を克服し、あらゆる条件づけを消去するには、目標設定が欠かせない。
目標を持つことは、治癒へ向けて自らを駆り立てる強力な動機づけとなる。また、具体的な目標は単なる夢や希望と異なり、エネルギーを集中させやすいため実現する可能性がきわめて高くなる。
さらに、明確な目標を設定すると、その実現のために無意識が協力してくれるので、これまで気づかなかったことに敏感になり、役立つ情報が次々と頭に入ってくる。つまり盲点がなくなり、これまで見えなかったものが見えるようになるのだ。となれば、読書療法の効果も向上するはずだ。
そして設定した目標を達成すれば、達成感によるエネルギーが湧き、さらに高い目標を目指そうという意気込みも生じる。
こうして、無理なく安全に、しかも楽しみながら治療プログラムに取り組めるようになるのだ。
「TMSジャパン・メソッド」では、この目標設定の具体的な方法を説明する。
4.アファーメイション
アファーメイションとは、「あることを真実だと宣言する・断言する」という意味だが、無意識に働きかけて考え方や行動の変化を促すので、目標達成率を上げるための強力なツールとなり得る。
これは神頼みのように、願うだけで叶う、という単純なものではない。実は、無意識は現実と仮想現実の見分けがつかないのである。
そこでまず、無意識の中に肯定的な仮想現実を作ってしまう。すると、現実と仮想現実の間にギャップが生じる。このギャップを「認知的不協和」と呼ぶが、無意識にとっては我慢ならないほどの不快な緊張状態である。
すると無意識は、この不快感を緩和しようとしはじめる。盲点を払拭してあらゆる情報を収集し、考えられる限りの行動に出るのである。行動が変われば、それはおのずと現実に反映されるというわけだ。こうしたプロセスには、脳幹部の網様体賦活系(RAS:Reticular
Activating System)が深く関わっている。
「TMSジャパン・メソッド」では、アファーメイションの作り方や無意識への刷り込み方を説明するが、これまでの否定的な考えやイメージを肯定的なものに置き換え、それを実践し体感してもらうために宿題を出す。そしてフェーズIIの最初に、じっくり時間をかけて検討する。
5.認知療法
認知療法とは、否定的感情を「思考訓練」によって肯定的感情に導く方法で、うつ病を対象にした無作為対照試験によって、抗うつ剤と同等かそれ以上の効果があると、初めて証明された唯一の心理療法である。
アーロン・ベックによって体系化されたこの認知療法は、表2に示す「認知の歪み」を是正しようという試みだ。
表2.認知の歪み
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認知の歪み
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内 容
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全か無か思考
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物事に対し、「全か無か」「白か黒か」という両極端の見方をする。 |
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一般化のしすぎ
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1度か2度起こった事がこの先も永遠に起こり続けるように思う。 |
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心のフィルター
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良い事は目に入らず、悪い事ばかりが目に入ってしまう。 |
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マイナス思考
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良い事が見えなくなり、悪いように悪いように考える。 |
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結論の飛躍
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具体的な根拠もないのに、悲観的な結論を出してしまう。 |
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拡大解釈と過小評価
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自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。 |
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感情的決めつけ
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自分の感情は現実をリアルに反映していると考える。 |
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すべき思考
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何をするにおいても「〜すべきだ」「〜すべきでない」と考える。 |
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レッテル貼り
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自分や他人がミスを犯した時にレッテルを貼る。 |
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個人化
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周囲の出来事を自分の責任にしてしまう。 |
こうした「認知の歪み」は、否定的感情を生み出す源であると同時に、TMSを発症させる原因ともなっている。
認知療法そのものは、非常に複雑で専門家の指導が必要である。しかし「TMSジャパン・メソッド」では、それをひとりで行なえるように簡略化した方法を試みてもらい、否定的感情がその場で減少するのを体験してもらう。
6.EFT
EFTとは、Emotional Freedom Techniquesの略で、「感情解放テクニック」と訳されている。ロジャー・キャラハンが、アプライドキネシオロジー・経絡学説・NLP(神経言語プログラミング)を元に開発したTFT(思考場療法:Thought
Field Therapy)を、ゲアリー・クレイグがさらに発展させて体系化したエナジーセラピーのひとつである。
われわれがEFTを取り入れたのは、次のような利点に注目したからである。
(a)他の治療法と比べてかなり強力である。
(b)どんな患者にも教えられる。
(c)無害である。
(d)患者が自分の問題を語る必要がない。
(e)即効性がある。
(f)手順がきわめて簡単である。
基本的には、患者自ら手順どおりに経穴をタッピングして治療するというもので、心理的問題のみならず身体的問題にも即効性の効果が期待できる。しかも、治療前に診断を下す必要もなければ、タッピングの手順も簡単に覚えられる。
「TMSジャパン・メソッド」では、このEFTの手順を詳しく説明し、時間があればデモンストレーションでその効果を体験してもらう。
V 「TMSジャパン・メソッド」の効果
われわれは本治療プログラムの影響を、JOAスコアとSTAI(状態・特性不安検査)でモニターしている。ここではその結果を簡単に報告する。
対象は、慢性腰下肢痛を抱える「TMSジャパン・メソッド」受講者49名で、確認できた罹病期間は平均93.75ヶ月である。
まずJOAスコアの変化だが、22.9±5.0から24.4±4.5へと上昇し(改善率24.6%)、わずか2日という短期間の間に有意差のある改善がみられた(p<0.012)。受講者の罹病期間を考えると、「TMSジャパン・メソッド」は慢性腰下肢痛に対してきわめて有用と思われる。
次にSTAIだが、状態不安は42.1±9.6から33.1±9.1(p<0.001)へ、特性不安は47.1±11.8から42.7±11.9(p<0.001)へとそれぞれ低下していた。これは、「TMSジャパン・メソッド」に明らかな不安軽減効果があることを示している。
ある治療効果を考える場合、客観的な変化だけではなく主観的な変化も重要である。そこで、受講者の声をいくつか挙げておく。
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講義を受け大変満足しております。痛みがだんだん遠のき、良い方向へ向かっている気がしてなりません。また機会がありましたらもう一度受講してみたいと思います。
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今までにない体験で、今後の生活にとって大変有意義でありました。周囲に同じ悩みを持つ人たちもいると思うので、自分の体験を通して知らせていきたい。長谷川先生の講義は丁寧でわかりやすかった。
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2日間ありがとうございました。大変有用であると思いました。そして治療の現場でも大いに役立つと思います。
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アファーメイションや認知療法なども知識はありましたが、実際にやってみると本当に効果が実感できました。2回に分けて宿題を出すという形式はとても良いと思います。
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代替医療をやりながら、TMS理論をうまく取り入れる方法を考えていた。今日は具体的な方法を教えてもらったので、TMSだけでなく、精神的な安定にも利用できるし、その他の病気にも良い影響を与えられる気がした。
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アファーメイションは、効果があるということを実感しています。どうしても治る過程に捉われてしまうのですが、治りやすいもの、難易度の低いものからクリアしていきました。やる気になりますね! 自分の色々なことについて見直すことができたと思います。
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資料を含め、全体的に内容がよくまとまっていて、理解しやすかった。認知療法の考え方とやり方がとても面白かった。
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とても楽しかったです。有意義な2日間でした。さっそく臨床に使わせていただきます。
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本当に大げさではなく、生まれてからこんな素敵な体験ができたのは記憶がないくらいです。本当に貴重な体験をありがとうございます。
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本およびHPで「知らないうちに治っている」という事例を聞いていましたが、それが疑問でした。しかし、メソッドを受けて分かった気がします。自分の気の持ち方が分かったのは心強いです。
VI TMSジャパンの活動
TMSジャパンは企業ではない。TMS理論に興味のある医療関係者や、TMS理論の恩恵を受けた有志たちに支えられた、ボランティア団体である。TMS理論を幅広く浸透させることで、ひとりでも多くの慢性腰下肢痛患者を救おうと努力している。ここでは「TMSジャパン・メソッド」以外の、われわれの具体的な活動内容を紹介する。
1.ワンデイ・セミナー
TMS治療プログラムに関する講義の他に、疑問を解決するための質疑応答やディスカッションが含まれたセミナーである。いわば、サーノが提唱する「講義討論会」と「グループミーティング」を、1日で行なう治療プログラムと考えればわかりやすいだろう。TMS理論をしっかり理解してもらうことを目的としているので、読書療法が難しいと感じた慢性腰下肢痛患者やその家族も対象となる。また、TMS理論の全体像を解説するため、時間のない医療関係者にとってもTMS理論を学べるよい機会となっている。
2.セブンデイズ・プログラム
「2日連続の受講スケジュールは無理」「長時間留守にできない」などの意見が寄せられている。そこでわれわれは、こうした要望に応えるために「TMSジャパン・メソッド」を表3のように7つのステージに分割した。要するに、1クール7回の治療を受けるというシステムである。
各ステージは約1時間半で、どのステージからも受講することができ、定員は10名となっている。
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表3.セブンデイズ・プログラム
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内 容
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| ステージ1 |
腰痛概念の劇的な転換 |
| ステージ2 |
TMS理論と最新の医学情報 |
| ステージ3 |
医学の誤謬&目標設定 |
| ステージ4 |
アファーメイション |
| ステージ5 |
腰痛診療ガイドラインと
学習性無気力 |
| ステージ6 |
認知療法 |
| ステージ7 |
感情解放テクニック |
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3.メール・カウンセリング
2000年6月にウェブサイトをオープンして以来、1日に50通〜100通の電子メール相談を受けてきたが、1対1のカウンセリングによる高い治療効果が確認できた。そこで、1クール30往復という形でメール・カウンセリングを行なっている。限界はあるが、可能な限り「TMSジャパン・メソッド」の内容を取り入れ、個別の対応で成果を上げている。
4.ビデオの販売
TMS治療プログラムは、身体に対する直接的介入ではなく、情報を与えることで筋骨格系疾患を治療しようというものだ。その情報源としては現在、前述した3冊の本があるが、読書が苦手な患者も存在する。
そこでわれわれは、過去の講演内容を収録したビデオを使って、TMS理論に関する理解をより深めてもらおうと考えた。患者の治療プログラムとしてだけでなく、医療関係者の学習にも役立ててもらっている。
現在、『TMS理論の導入法』『急性腰痛治療ガイドライン』『むち打ち関連障害』『慢性疼痛と治療的自己』『椎間板ヘルニアの著効例』『TMS理論』『サーノ博士の腰痛治療革命』などがある。
5.TMSジャパン会員
インターネットにはメーリングリストというシステムがある。電子メールを使ったインターネット活用法のひとつで、登録メンバーに対して一斉に電子メールを配信できるものだ。われわれはこのシステムを利用し、最新の医学情報やTMSの症例報告などを会員間で共有している。
会員といっても入会も退会も自由で、氏名を公表することもなければ、特別な義務も一切ない。最新の医学情報を入手したい医療関係者だけでなく、TMS理論の恩恵を実感した患者や、その恩恵を他の人たちとも分かち合いたい、TMSジャパンを応援したいという有志が入会してくれている。
会費は年額4千円以上とし、各自の自由意志で決定してもらう。また、会員にはいくつかの特典も用意されている。
6.TMSネットワーク
TMSジャパンのウェブサイトには、われわれの活動に賛同する医療関係者や心理カウンセラーの連絡先などが掲載されている。全国各地で苦しんでいる患者の相談に乗ってもらうためだ。
TMSジャパンにも相談の電話や電子メールが寄せられるが、この際も近くのネットワーク会員を紹介している。
ネットワークへの登録条件としては、TMSジャパン会員であること、TMS理論を少なからず治療に取り入れていることなどがある。
7.無料メールマガジン
メールマガジンとは、電子メールで雑誌を購読するようなインターネット上のシステムだ。2002年1月からスタートして、月2回のペースで無料配信している。現在、『腰痛は<怒り>である』のダイジェスト版(TMS理論の復習)や、治療に役立つ名言集、各種セミナー案内などを配信している。
8.講演活動など
講演依頼や企業研修などは、随時受付けている。また、将来的にはファシリテーター制度を確立し、全国各地で「TMSジャパン・メソッド」を開催できる人材の育成を考えている。
VII おわりに
「TMSジャパン・メソッド」とTMSジャパンの活動について述べてきた。しかしこれらは、一個人の力だけでできるものではない。TMS理論の恩恵を受けたという、善意ある有志の支えがあって初めて可能になったのである。
実に多くの方々のご協力をいただいた。心から感謝している。この場を借りて、厚くお礼申し上げる次第である。
※本論文は、「マニピュレーション」誌に掲載されたものに、加筆訂正を加えてあります。