1991年、医学界に『EBM』(科学的根拠に基づく医療)という概念が誕生しました。テーラーメイド・メディシンとも呼ばれるEBMは、現時点で入手可能な最良のエビデンス(証拠・根拠)を把握した上で、多様性のある個々の患者にとって最善の医療を提供しようとするもので、サイエンス(科学的根拠)とアート(専門的技量)の統合を意味します。
そこでまず、EBMの土台となるサイエンスの部分を固めるために、従来の診断や治療の再評価が始まり、各分野で「根拠に基づく診療ガイドラインが」作成されるようになりました。この医学史に残る革命ともいえるプロセスにおいて、腰痛治療の分野では驚くべき変化が起きました。これまでの「生物学的(物理的・構造的)損傷」という機械的なモデルから脱却し、さまざまな要因によって生じる「生物・心理・社会的疼痛症候群」として腰痛治療を始めるようになったのです。
そこでTMSジャパンは、ニューヨーク大学医学部のジョン・サーノ教授が発表したTMS(緊張性筋炎症候群)理論を出発点として、腰痛にまつわる迷信や神話の犠牲者ならびに腰痛難民をひとりでも減らすために、新たに解明された科学的事実を紹介しつつ、 『世界の腰痛診療ガイドライン』の勧告に従った腰痛治療のための教育プログラムを提供していきます。